161

ちいさな赤ん坊に指を差し出すと、ぎゅっと握ってくる。
その感触は、親になった誰もが感動することのひとつだ。

162

若い頃は
悲壮感も
やる気を維持するキックのひとつ

163

人に好かれたいと思ったら、まず自分が相手に興味を持つことだ。
逆から考えればすぐ分かる。
自分に対して心から興味を示して接してきた相手には、
誰だって好感を持つだろう。

164

子育てに大事なのは、自分が小さい頃の感情をきちんと思い出すことではないだろうか。
そうすれば、「なぜ」は少なくなる。

165

いつか、衰えた時。

いつか、自分の身体が衰えたと自覚した時は、
自分で歩ける範囲の場所を歩き、
自分(と妻のふたりだけ)で出来る範囲のことをする生活をしたい。
たとえその時に、他人を自分の手や足にするお金の余裕があったとしても。

166


 子どもにとって「不満がある」ということは別に大きな問題じゃない。
 その不満を口に出せるということに、大きな意味がある。

167

俳優のほとんどは愛されたい人種だと思う。
だけど、自分が愛することを知らなければ、ろくな俳優ではない。

168

占いたがる人って、嫌い。

169


  人間は酷いことをする能力をもっている。

170


「あきらめない」という行為は、
   才能なんてものを、軽々と凌駕する。

171

 幸せは、自分で「なる」ものだ。
 誰かにしてもらおうと思っていたら、幸せにはなれない。

172

 とても濃いサングラスをかけると、耳も良く聞こえなくなってしまう。
 普段、目で見たものを選んで聴いたり、聞こえたものを目で確認しているからだろう。よく見えないという状態が、よく聞こえないという状態を呼ぶようだ。
自分がとても視力に頼っているということがよくわかる。
 完全に目をつぶれば、とたんに、とてもよく聞こえるようになる。
 

173

 最近時々、表情が間違ってる時がある。

174

後世に残るものを、と考えるのは変だと思う。
時代を経て残っているものはすべて、様々な偶然が重なった結果であって、
最初の目的は、ただひたすら、ある対象に向かって一生懸命作ったということだけだと思う。

175

 この宇宙の遠大な時間の流れの中の、
 砂時計のほんの一粒にも足りない刹那に、

 今、こうして自分が存在して、
 自分という気持ちを感じているということを思う時、
 ぎゅっと胸がしめつけられるような、
 切なくて、たとえようもない気持ちを感じる。

176


  素直とわがままは、ほぼ同じ意味。

177


派手に注目を浴びる分野には、すごい人の割合って実は少ない。
 え、あの人の方がもっとすごいのに、っていうことがけっこうある。
 でも、それは、しかたがないことでもある。
 能力や人柄と評価が一致する世界は、その外にあるのだ。
地味な分野に取材に行くと、気さくに応対してくれたいかにも普通の感じの人が、
誰でも知っている技術を開発した人だったりして、
この人、世界を変えた人じゃん、って、びっくりしたりする。

178

「そんなの理想だよ」と、
  できないこととして片付けようとする人がいるけど、
  だったら、理想は追わなくていいというのだろうか。
    理想は目標だ。目指さなくてどうする。
    理想は夢想ではない。

179


 どんな場所にいても主役であり続ける人にはなりたくないけれど、
 人は誰でも、自分が主役になれる場所が一カ所だけはあった方がいい。

180

   観客が本当に知りたいのは、ストーリーではなく、
      そのドラマを生きる登場人物たちから出てくる、生の声なのだと思う。