301

今の若い役者さんて、みーんな、歯並びがいいなあ。
爽やかで、歯に目が行く人ばっかりだ。

 302

「二日坊主」ってどうだろう。
三日で飽きてしまう三日坊主とまったく違って、すべての依頼をたった二日で処理するスペシャリスト、二日坊主! カッコ良くない? ドラマにならないかしら。

 303

「どう思う?」と聞いておきながら、答えが意に沿わないからってグズグズするのは無しだろう。だったら最初から聞くなってば。

 304

久しぶりに履いたズボンの裾が短く感じて、「足が長くなった?」と一瞬思ったが、なんのことはない、腹が冷えないように思い切り引き上げて履いてるだけだったと気づいた。おっさんの履き方だ。

歳だ。

 305

猫が水に濡れると、こんなに顔が小さかったのかって、
びっくりする。

毛ってすごいなあ。

 306

その昔、靴下が古くなるとズリ落ちないように輪ゴムで留めたりしてたなあ、なんて思い出し、今はみんなそんな風になる前に靴下捨てちゃうんだろうなあなんて考えているうちにハッとして調べてみたら、靴下がズリ落ちるのを留める糊『ソックタッチ』って、まだちゃんと売ってるんだね。なんか感動。

 307

中華街は、いまだに、そこの子供が店のテーブルにノートを広げて勉強をする風景が見られる場所。
昔は当たり前の風景だったけど、日本じゃもうあんまり見られない。

 308

やりたいことだらけなんだから、死ぬまでに全部できるはずがない。だから時間がないなんて泣き言は言わずに、少しでも多くのことをやって、それを存分に楽しむだけだ。

 309

お祝いのためにでっかい甕に酒を集めたら、俺一人ぐらい水持ってってもバレないだろうって皆が思ったもんで結局全部水だったって話。
あれみたいだよね、今の日本て。

 310

「一番先頭の車が見たいなあ」って、
渋滞にはまった時に小さい娘がよく言ってたなあ。

 311

野球のルールって説明するの難しいね。説明しているうちに試合が終わっちゃう。でもルールがわからないと全然面白くないだろうしなあ。

 312

役に早く入っていくコツって、俳優によってみんな違うだろうけど、僕の場合は、その役の人が言いそうな冗談を思いつくまま言ってみることかな。

 313

人間って、こんなに大きい脳みそ持って70年も80年も生きるのに、なんで争いごとを無くす程度の知恵がつかないんだろう。もったいないなあ。

 314

花を盗む人の気持ちがよくわからない。
盗む気持ちまでは想像できても、その花を家に持って帰ってどんな気持ちで眺めるのか、どうも想像できない。

 315

欲しいと思っているのにずっと買いそびれているものってなんですか。

 316

長生きしてみたい気もするし、したくないような気もする。
五十代後半ってこんな感じなのか。それとも今の時代のせいなのか。

 317

良い人と一緒に居ると、良い気持ちになる。
影響されて、自分もちょっとだけ良い人になる。
すごいことをしなくても、人は世界を変えられるんだなと思う。

 318

これをやれたらもう役者を辞めてもいいと思えるような役ってどんなものだろうか。
この先の人生で、そんな役に自分が巡り合うようなことがあるだろうか。

 319

人並みにくよくよするんだけど、周りからは全然そう見えないらしい。
だから僕も、他の人のことはよくわかってないんだろうなと思う。
印象って面白いものだ。

 320

朝焼けを見ると、なぜか二十代の頃の気分を思い出す。