141

3つの苦労があるから1つの喜びが輝く。
苦労が10なら喜びはさらに輝く。
世界というのは、そういう風に出来ているのだ。

142

 現金書留の茶封筒って、あれ、なんとかならないんだろうか。
民営化されても、あの努力のなさは、たまらない。
お祝いを贈る時、物よりも現金の方が良い時がある。
だけど、どんなにさりげない袋とメッセージにしようが、
その上にいかにも「現金です」というあの無粋な封筒が被さっていては、どうにもならない。

143

  川の字で寝ていると、
 やがて N の時になって、
 最後には H の字。

144

 
 小さな子が、より小さな子を抱っこやおんぶしてあげている光景。
 小さな子が、自分よりか弱き存在に対してかける思いやり。
 また、より小さな子が見せる、完全な信頼。
       この世で一番美しいもののひとつ。

145

いつか、「この映画にはいっさいCGが使われていません」ということが宣伝になる時代が来ると思う。

146

「せめてこれぐらいはやってよ」と思うようなことは、「せめてこれぐらい」なので、むしろ全部自分でやってしまう。
いつまでも相手の鈍感さに不満をもって苛々するのはもったいないので、自分の効率をなんとかあげるようにして、解決してしまう。
「せめてこれぐらい」を分担したぐらいで安心されたらよけい困るので、
相手には大事な課題だけを残すようにする。

147

  反抗期って言葉はよくないんじゃないか
 と思う。
 その時期の子どもは、なにも反抗が目的なわけじゃない。自分ひとりでやれることを確かめてみたい、自分流にやってみたい、試してみたい、そんな独立心が育まれている時期なのであって、だから干渉されたり救いの手を差し伸べられたりすることに抵抗を見せるだけなのだから、
「自立成長期」とかいう呼び方に変えたらいいのにと思う。

148

どんなトラブルにも、「かえってこっちの方が良かったんじゃない?」という解決方法が必ず隠れている。
それを探し出すのだ。呆然や、がっかりは禁物だ。

149

 どうも予備校という存在が好きになれなかったが(特に昼時にあそこから大量の若者があふれ出してその群れがコンビニや近所の道端を占拠してしまうあの光景が耐えられない)、最近なんとなくその理由がわかった。
 たぶんそれが、「その他大勢」の生き方を象徴してしまっているような気がするからだと思う。

150

              親身。
 
 この国がこの五十年で失ってしまった一番大事な物は、
「親身」ではないだろうか。
 僕たちが求めているのは、「平等」でも「公平」でも、「保障」というシステムでもなく、
親身になって聞いてくれる「心」なのだ。

151

女の人のフェロモンには2種類ある気がする。

 『いつでも産める身体なのよ』フェロモンと、
   『未熟だし、まだまだ産む必要はないのよ』フェロモン。

152

「個人的には」禁止。
 この言葉がやたら氾濫して久しいが、自分の意見や感想を言うのに、なぜわざわざ「個人的には」と言うのか、意味がわからない。
 「個人的には好きです」なんて、「もし他のみんなが違うなら、決してそう言いませんけどね」という意味なんだろうか。
 いったいなんの言い訳か、僕にはさっぱりわからない。

153

  おでんって、結局はおつゆの味だから、
 全部同じ味なはずなのに、
 なんで「次はなにを食べようかな」なんて、
 鍋をのぞきながら、わくわくしてしまうんだろうか。

154

アイデアを出す時は、ただ、アイデアを言うようにする。
「こうこうこうだと面白くないから、こう考えました」などと自己正当化する言葉は、いっさい使わないようにする。
自己正当化は、アイデアの発展をストップさせる。

155

 退屈は子どもの特権だと思う。
 歳をとるにしたがって、やりたいことと、
 やらなければならないことだらけになって、
 退屈をする暇はなくなっていくのだから。
 若いうちに味わっておくほうがいい、
 きっと退屈も成長に必要なことなのだから。

156

記念写真に写るのが当然と思ってる人って好きになれない。
 そういう人って、「次、替わるから、入って入って」とか、
  絶対に言わない。
   生き方が合わないなって、感じる。

157

 わざわざしようとすると難しいことってなんだろう?
  と考えていたんだけど、
  ウンチをパンツに漏らすのは難しいな、きっと。
  小便の方はまだなんとかなる気がするけど。
  いや、ふざけて言っているのではない。
  本当に、難しいと思うのだ。

158

最長不倒距離。
   なぜか、この言葉が好きだ。
   なんのことはない、スキージャンプの用語なのだが、
   自分には、どこか、人生の言葉のように感じるところがあって、
   たまに、大きくへこたれそうになった時、
   「まだまだ。俺は、最長不倒距離を目指してるんだ」
   と呟いて、踏ん張りきることがある。

159

        うどんにお尻ってあるの?
 と、突然、娘が聞く。
 しばらく考えて、ああ、「腰」のことを言ってるのだとわかる。
 子どもの言葉の捉え方は、本当に面白い。

160

 子どもが優しくなくなり始めるのは、親が優しさを要求するからだ。
 子どもは傷つくのだ。自分が優しくないと思われていることに。
 子どもは傷つくのだ。自分の優しさが伝わっていなかったことに。
 そして、それならもういいや、と思うのだ。