21

自分の知っている限り、 二人とも働いている夫婦で 、家計の財布をひとつにしていないトコ って、たいがい別れる。
 
 たぶんこれは、お互いのプライベートを尊重してるつもりでも、同時に、いつでも別れられる準備をしてしまっているからだと思う。おまけに、収入額が内緒だと自然と行動も内緒だらけになるしね。
 どっちの収入が多くても少なくても、家計はひとつにしちゃった方がいい。その方が実はお互いを尊重するものだ。お前の方が収入が少ないんだからこれ買っちゃダメなんてことにはならずに、むしろ、よし買っちゃおう、そのかわりここを来月からは倹約しようぜ、なんて相談し合って、一人じゃ決心がつかない大きい買い物ができたりする。
 あと、家計を一緒にしとくと、別れるのが面倒くさいのが良いと思う。別れるよりいい解決方法を見つける努力をするからだ。
 同じような意味では、結婚して一緒に住み始める時に、それまで住んでいた部屋をそのまま倉庫部屋として残してたりする人も、まず、別れるなあ。

22

 宗教は興味深いものだし、ある人々にとってはとても大切なものだと思う。

 でも、 この世界は誰かが作ったのではなく、まったくの偶然に生まれたのだと考えた方 が、世界はより奇跡的で美しく感じられるのではないだろうか とは、よく思う。

23 

「悔しい酒を飲む前に、まず、美味しい大福とお茶を飲んでみたらどうか」

 夜の電車に乗っていると、本当によくそう思う。
その方が安あがりだし。
 酒飲むなら楽しい酒にしないとお金がもったいない。「バカヤロー」なんてくだまいて、悔しさをわざと増幅させても、いいことはないと思うのだが。次の日、「あーすっきりした」なんてことにはならないんだから。「わかっちゃいるけど」なんて言わずに、まず、大福を食え。

24

 脱税や不正献金や不正融資や談合や公金使い込みや偽装表示や、その他あらゆる不正が必ず週に一度はニュースになっている。

発覚しただけでこれだけの数あるのだから、発覚してないものを合わせたら、不正をしていない政治家や企業の方が少ないんじゃないかと思えてくる。
 世の中は、絶望的な財政赤字だとか不況だとか言っているけど、システム自体の問題じゃなくて、
 みんながズルをやめさえすれば、日本の経済は簡単に成り立つと思う。

25

完全な球体の哀しみ という夢をみた。
 球以外のすべての物質は、必ずどこかに角を持っている。だから、世界でただひとつ、球だけが孤独なのだという。そんな、シュールだけど、妙に哲学的な夢をみた。

26

自分の抱えている問題や不満をすべて書き出して、
「自分の努力でなんとかなる問題か否か」
で分けてみると面白い。

27

木目のテクスチャってけっこう面白いと思う。
木目調の車とか、木目調のマンションとかあるといいのに。
あと、 木目のヒーロー、モクメンジャー とか。  
「モクメンジャー、チェスナット!ブラックチェリー!」
とか。 みんな木目だから、あんまり見分けがつかないの。

28

 ある女性が言った新格言。
「リバーシブルにすごいものなし」

29

 トコロテンって漢字で「心太」って書くって知ってた?

そんなに頼もしい字でどうするんだ。

30

「楽」と「楽しい」はイコールじゃないと思う。


  手間がかからないものに、本当に楽しいものはない。
  面倒くさいことの先にしか、楽しいことはないと思う。

31

CMの企画を考えた。
    てるてるぼうずの節で、
「♪みそみそらーめん、みそらーめん~♪ 
 あーした天気にしておくれ~♪」
 って歌が流れて、画面に映ってるみそラーメンから
「えー、……わたしがー?」
 って気弱そうな声が聞こえるの。
 どう? だれか採用してくれないだろうか。
 ちなみに、この節回しって非常に使い易く、「モノモノレール、モノレール~♪」とかも面白い。
 我が家では、こうやって目についたモノに勝手に願を掛けちゃうのが流行っている。

32

真実。
「聞き上手の人は、
  けっこう話を聞いていない」
   そこにきっと、コツがあるのだろう。

33

 昔、僕が小さい頃、 「ペス」って名前の犬ってけっこういて、たいがい情けない感じの犬なんだけど、あれってなんでペスって名前だったんだ?ってふと思った。

ポチとかコロならわかるけど、なんだよペスって。
 そしたら、インターネットってすごい。調べてみたら、すぐわかった。
 
「ペス」って、チェコ語で「犬」の意味なんだって。
しかしなんでまた、あんな昔に、そんなインターナショナルな名前つけてたんだろう?

34

一生のうち、エレベーターの文字盤を見つめている時間を全部合わせると、何日分ぐらいになるのだろう。
 エレベーターの中で、ふと気がつくと文字盤を見つめてしまっている。
 他に見るものもないし、数字が変わるからなんとなく見てしまっているのだろうけれど、あの空間の中で、あそこだけが見る場所でもないだろうと思う。
 何も考えずに、ただ数字だけを見ている。そんな人生は嫌だな、と思う。

35


「お鼻のすべり台」って可愛い言葉だと思う。
 

36

   僕は筋金入りの喫茶店ウォッチャーだ。
 
1、北品川で、コーヒーについてるミルクを、まず最初にそのままくいっと飲んじゃう人を見た。
 気付け薬みたいに、くいっと。それから、ゆっくりとコーヒーに取りかかったのである。
 
2、飲み物を3つ並べて、順番に均等に飲んでいく人を、広尾で見た。
 プラカップなので、中身がまったく同じなのか別々かは不明。
 しかし、ひとりで来ていたその御婦人は、ストローを全部自分の方に向け、
 なぜか均等にジューと飲んでいくのだった。
 
3、ミルクを化粧液みたいに顔に塗っちゃうオバチャンも見た。五反田。
 確かに乳液とかいうけれど、あれ、まんまミルクでもいいのだろうか?
 オバチャンは、賑やかにお喋りを続けながら、馴れた動作でミルクを手にも
 擦り込んでいた。

37

深呼吸をすると良い。
簡単なことだが、効果がある。
逆に言えば、こんな簡単な動作を忘れている時は、
やばいのだ。

38

交通費の精算って、自分が立て替えているにも関わらず、戻ってくると嬉しいのは、なぜだろう。
あぶく銭が入ったみたいで、思わず使ってしまいそうになる。

39

子供の頃、ある角度で思い切り踏み切ると、
空を飛べるということを、夢の中で発見した。
角度と思い切りが決め手なのだと完全に理解して、感動した。
目が覚めてから、忘れてしまわないうちにとすぐに布団を積み重ねて、何度も何度も同じようにやってみたが、なかなか夢で体得した通りに飛べない。その日だけでなく、ずいぶんと何度も練習したが、当然なことに、結局一度も飛べなかった。
でも、本当に微妙な角度だが絶対に飛び出せる角度があるのだ、と、今でも僕はどこかで思っている。

40

昔、大島渚さんが、「利重くん、僕はね、映画はこれから俳句のような世界になっていくと思うね」と言って笑った。
それがどういう意味だったのかを、近頃、時々考えている。